インフレ率が極端に高い国もある
去年後半頃から世界的なインフレになっており、日本も例外ではなくインフレ率が3%(2022年9月)まで上昇した。アメリカやイギリスなど他の先進国も10%前後になっているが、世界の中にはもっと極端に高いインフレ率の国もある。
トルコのインフレ率は85%
インフレが進行する世界の中でも特にインフレ率が高い国の1つはトルコだ。トルコのインフレ率は2022年10月の数字でなんと85.5%もある!
トルコがここまでインフレになってしまった理由はいろいろある。トルコはもともと歴史的にインフレ率が高く、数十年前から継続的に年間50~100%程度の高インフレが続いてきている。2010年頃には10%前後に下がり、トルコにしては低インフレの時期がしばらく続いたが、コロナ禍が始まった2020年以降に高インフレに戻った。
強引な利下げでインフレが悪化
そしてここ1年ほどでインフレが急速に悪化したのは、本来インフレ抑制のために利上げをすべきところを、利下げをしてしまっているためでもある。
トルコは昨年前半に政策金利を一旦19%まで引き上げた。しかし利上げをすることで景気が悪くなることを嫌がったエルドアン大統領が、利下げをするよう中銀に圧力。昨年後半から金利を引き下げ、その結果インフレと通貨・リラの下落が急速に進行した。
東欧はウクライナ戦争の影響でインフレ
2022年2月に始まったウクライナ戦争によって、原油や小麦などの商品価格が高騰し世界的なインフレをさらに悪化させている。なお商品価格のチャートは、easymarkets.comなどのサイトで無料で見ることができる。
東欧諸国は地理的にウクライナから近いので、ウクライナ戦争の影響が大きくインフレ率も高い。2022年10月のインフレ率を見ると、モルドバが34.6%、紛争当事国のウクライナが26.6%、リトアニアが23.6%、そしてエストニアが22.5%などとなっている。
南米ではアルゼンチンが高インフレ
ヨーロッパ以外でもインフレ率が極端に高い国はある。例えば南米のアルゼンチンがそのような国で、アルゼンチンは今年9月のインフレ率が83%にも達している。
アルゼンチンはコロナ禍前の2017年頃からインフレ率が上がりだし、2020年のコロナ禍開始以降は加速した。また通貨・ペソも下落しており、2016年末時点では1ペソ=7.5円だったレートが、2022年11月現在で1ペソ=0.86円にまでなっている。
アルゼンチンは財政的にも不安定で、ここ数十年で何度もデフォルトをしている。そのような放漫財政が高インフレの原因の1つと言われる。
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