イギリス人は4人に1人がオンラインでギャンブルをしていると判明
Gambling Commissionが発表した調査によると、16歳以上の4,018人を対象に、過去4週間にオンラインでギャンブルをしたかどうかを尋ねたところ、25.7%の人が「はい」と回答した。昨年の23.8%、過去5年間平均の18.5%と比較すると、その数が増えていることが明らかだろう。実際、英国における該当調査上、今回の25.7%という数値は最高値である。これは社会問題なのであろうか?真実に迫る。
通常のカジノにおけるギャンブル人口は減少傾向
日本においてもコロナ禍におけるオンラインギャンブルへのアクセス増加が懸念されていたが、英国でもそれは過去最高水準となった。一見、社会問題になっているのではと思われるが、通常のカジノにおけるギャンブル人口は減少傾向にある。過去4週間にギャンブルをしたことがあると回答した人は43%で、2020年3月の47%と比較すると、その割合は減少しているのだ。オンラインギャンブリングの流行とリアルカジノの低迷はコロナ禍が原因であろう。ロックダウンによりリアルカジノは一時閉店へと追い込まれた。完全に再開した現在でも、コロナ感染の懸念やオンラインギャンブルの利便性を理由に、客足は途絶えている。
16歳から24歳のギャンブルユーザーが急増
こうした全体的な傾向にも関わらず、16歳から24歳の年齢層において、オンラインギャンブル利用者が急増している。34.7%も過去4週間にギャンブルをしたことがある回答したのだ。昨年と比較して、5%増加となる。しかし、この年齢層はギャンブル依存症を患いやすく、将来的にもギャンブルへの向き合い方が問題になる可能性があるため、大きな懸念が残る。
55歳から64歳のギャンブルユーザーも増加
この年齢層に関しても、退職者が多いのか、オンラインカジノ利用時間が長い。仕事の代わりとなる暇つぶしを探して、行き着くのがギャンブルなのであろう。この年齢層の方々は基本的には比較的裕福であるが、ギャンブル依存症になるリスクは否めない。
1番人気はスポーツベッティング
こうしたギャンブルで最も人気なのが、スポーツベッティングである。オンラインカジノでプレイするのは何か違うと主張する人もいるが、それでも十分に中毒性があり、かなりの金額を失うギャンブラーもいることだろう。ワールドカップの試合に少額を賭けるにせよ、習慣的に毎週お金を賭けるにせよ、スポーツベッティングは依存症のリスクがあるギャンブルだと認識することが重要なのだ。
オンラインギャンブルの容易性
オンラインギャンブルに関しては、物理的に特定の場所に訪れたり、現金のやり取りをすることがないため、ギャンブルがより身近なものとなる。わずか数回のクリックで、デビットカードもクレジットカードを使用している感覚を忘れ、大金を賭けることができてしまうのだ。カジノによってはこうした消費行動を規制するシステムを導入しているが、オンラインカジノでは予算を超えた金額を賭けてしまう傾向が顕著であろう。
英国のギャンブル規制は改正が必要か?
理国のギャンブル規制法には改正が必要だとする人はかなり多い。2021年には改正法案も検討されていたが、施行は延期された。しかし、依存症のリスクに関しての議論を慎重に行い、ギャンブルの制限や規制をするより拘束力のある法律を検討することは、社会的にも良いことであろう。
ギャンブル依存症に対する支援
英国には、ギャンブル関連の問題を抱える人々を支援する団体やチャリティーがいくつかある。GamCareはその代表格で、ギャンブル依存症の影響を受けている人(親族を含む)に対してサポートやアドバイスを提供している。
英国の国民保健サービス(NHS)のウェブサイトにも、ギャンブル依存症かどうかを判断するためのアンケートがあり、ギャンブル依存症に悩まされているのであれば、支援のためのリソースも掲載されている。もちろん、生活に影響を及ぼすほどの深刻なギャンブル依存症の疑いがある方は、必要に応じていつでも医師に相談すべきである。
まとめ
英国におけるオンラインギャンブルの利用増加は懸念すべきものであるが、通常のカジノにおけるギャンブルではなく、パンデミックによるオンラインギャンブルの流行である。
また、ギャンブルプレイヤーの年齢層とそれが社会問題になりうるリスクを検討することも重要だ。例えば、16歳から24歳の若者の多くがギャンブルをしているという事実は懸念すべきことであろう。さらに、オンラインギャンブルは、たとえスポーツベッティングであったとしても、ギャンブル依存症などの危険性が高い可能性がある。
こうした傾向をすべて把握して、問題あるギャンブルが結果的に増加しないようにし、ギャンブル依存症に悩む人が適切な支援を受けられるようにすることが重要です。
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