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「空を飛ぶことしかできないけど——それがあたしにできる唯一の魔法」。スタジオジブリの不朽の名作『魔女の宅急便』は、今も変わらず世代を超えて愛され続けています。金曜ロードショーでの放送のたびに話題となる本作の声優陣は、後に「名探偵コナン」の工藤新一役・怪盗キッド役・アンパンマン役を担う実力派ばかりが揃う奇跡の布陣でもありました。
本記事では「魔女の宅急便 声優」を知りたい方に向けて、キキからジジ・トンボ・おソノまで全主要キャラクターの声優を完全解説します。
『魔女の宅急便』とは

作品概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 公開日 | |
| 制作 | スタジオジブリ |
| 監督・脚本・プロデューサー | 宮崎駿 |
| 音楽演出 | 高畑勲 |
| 音楽 | 久石譲 |
| 配給 | 東映 |
| 興行成績 | 1989年公開邦画ナンバーワンヒット |
| IMAX上映 | 2026年6月19日より4Kデジタルリマスター版 期間限定上映 |
1989年公開、宮崎駿監督、角野栄子原作の児童文学
『魔女の宅急便』は角野栄子の同名児童文学シリーズを宮崎駿監督がアニメ映画化した作品です。「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」に続くジブリ長編として制作され、公開後は邦画年間ナンバーワンヒットを記録しました。日本テレビが製作に加わったのも本作が初であり、スタジオジブリの歴史的な転換点ともなった作品です。なお「宅急便」はヤマト運輸の登録商標であるため、作品化にあたり同社がスポンサーとして参加。作中に登場する黒猫のモチーフが偶然にも一致したことが縁となりました。
13歳の魔女キキが黒猫ジジと共にコリコで「お届け屋さん」を始める成長物語
魔女の娘は13歳になると、一人前になるため知らない街で1年間の修行をするしきたりがあります。魔女の母コキリと人間の父オキノのもとで育ったキキは、相棒の黒猫ジジとともに旅に出て、海沿いの大都市・コリコにたどり着きます。パン屋のおかみ・おソノの家の離れに下宿しながら、自分の唯一の魔法「箒で空を飛ぶ力」を活かして「お届け屋さん」を始めるキキ。様々な出会いと困難を経て成長していく少女の物語です。
音楽情報
久石譲が音楽担当、挿入歌:荒井由実「ルージュの伝言」「やさしさに包まれたなら」
本作の音楽は久石譲が全編を担当しており、日本テレビの「金曜ロードショー」でも毎回話題になる冒頭のラジオから流れるユーミンの楽曲から始まる演出が印象的です。主題歌には荒井由実(現・松任谷由実)の既存楽曲「ルージュの伝言」(挿入歌)と「やさしさに包まれたなら」(エンディング)が起用され、映画の世界観と絶妙にマッチしたことで、これらの楽曲自体も再ブレイクしました。
主要キャラクターと声優

キキ(魔女)
声:高山みなみ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所属 | 81プロデュース |
| デビュー | 1987年(本作収録時は声優3年目の新人) |
| 代表作 | 「名探偵コナン」江戸川コナン役(1996年〜)、「忍たま乱太郎」猪名寺乱太郎役、「ゲゲゲの鬼太郎」2007年版鬼太郎役など |
13歳の見習い魔女、一人暮らしと修業に奮闘
本作の主人公。明るく前向きで年相応の繊細さも持つキキは、自分の魔法が「箒で飛ぶことだけ」という劣等感を抱えながらも、コリコでの生活を通じて自立と成長を遂げていきます。
高山みなみは当時声優デビュー3年目という新人でした。もともとウルスラ役のオーディションに参加していた高山が、難航していたキキ役のオーディションにも後から参加して合格。さらに宮崎駿監督たっての希望でウルスラ役も兼任することになりました。新人で主役級2役を担うことに辞退も考えたという高山に、宮崎監督が「責任は自分が持つから安心して」と励ましたという逸話が有名です。
後に「名探偵コナン」で江戸川コナン役を担当することになる高山みなみの類まれな才能を、宮崎監督は本作でいち早く見出していたといえます。「長寿アニメにしたければ高山みなみを起用すればいい」と共演者の林原めぐみが語ったほどの実力者です。
ジジ(黒猫)
声:佐久間レイ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な出演作 | 「それいけ!アンパンマン」バタ子さん役、「らんま1/2」シャンプー役など |
キキの相棒で黒猫
キキとともにコリコへやって来た黒猫の相棒です。人間の言葉を話し、コリコで出会う白猫リリーに恋心を抱いていきます。キキが魔法を失いかけたとき、ジジも人間の言葉を話さなくなるという象徴的な描写が本作の重要な転換点となります。
なお宮崎監督は「ジジが話さなくなったのはキキが成長した証であり、ジジとのテレパシーが必要なくなったから」と解釈しています。佐久間レイは同年の「それいけ!アンパンマン」のバタ子さん役でも知られており、戸田恵子(アンパンマン役)とは本作と「アンパンマン」で縁の深いコンビです。
おソノ(パン屋のおかみ)
声:戸田恵子
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な出演作 | 「それいけ!アンパンマン」アンパンマン役(1988年〜)、「ゲゲゲの鬼太郎」第3期鬼太郎役(1985年〜)、「うる星やつら」2022年版あたるの母役など |
パン屋のおかみ、キキを下宿させ面倒を見る
コリコのグーチョキパン店のおかみさんで、妊娠中にもかかわらずキキの面倒を見る豪快かつ親切な人物です。困っていたキキに声をかけ、家の離れに下宿させてお届け屋の仕事も手伝いながら、キキが街に馴染んでいけるよう温かく支えます。キキとトンボが仲良くなるよう計らうなど、母親のような存在感を持つキャラクターです。
演じる戸田恵子は声優・俳優の両面で活躍するベテラン。本作公開時点で「アンパンマン」のアンパンマン役として活動中であり、同じく「アンパンマン」に出演している佐久間レイ(バタ子さん役)・山寺宏一(チーズ役)が本作にも揃って出演していることから、「魔女の宅急便はアンパンマンのメイン声優が勢揃いした作品」とも言われています。
トンボ
声:山口勝平
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| デビュー | 1988年(本作当時は新人) |
| 主な出演作 | 「名探偵コナン」工藤新一・怪盗キッド役、「ONE PIECE」ウソップ役、「犬夜叉」犬夜叉役、「らんま1/2」早乙女乱馬役など |
少年、飛ぶことを夢見てキキに興味津々
飛行クラブに所属し、仲間と人力飛行機を作っている丸メガネの少年。愛称「トンボ」で呼ばれており、本名はコポリです。空を飛ぶキキを見かけて興味を持ち、男女問わず友人が多い明るい性格から、最初は馴れ馴れしさにキキに煙たがられても気にしない。夏休みに人力飛行機を完成させることが目標で、夢に向かって真っ直ぐな人柄が最終的にキキの心を解いていきます。
後に「名探偵コナン」で工藤新一・怪盗キッド役を演じる山口勝平と、江戸川コナンを演じる高山みなみは、本作で初めて共演しています。「らんま1/2」でも早乙女乱馬役(山口)と天道なびき役(高山)として共演するなど、この二人の縁は長く続いています。
ウルスラ(画学生)
声:高山みなみ(キキと同じ声優による一人二役)
18歳の画学生、キキの初仕事を手助け
森の小屋にこもって絵を描く18歳の芸術家肌の少女です。キキが宅配中に落としたぬいぐるみを拾ってあげたことで出会い、後に魔法が弱まって落ち込んでいたキキを励まし、創作活動を通じて得た経験をもとに大切なアドバイスをしました。名前「ウルスラ」は公式設定ですが、劇中のクレジットには実名が登場しません。
一人二役の理由:高山みなみはもともとウルスラ役のオーディションに参加していました。難航していたキキ役のオーディションにも後から参加して合格し、さらに宮崎監督の希望でウルスラも兼任。宮崎監督は「ウルスラはキキの成長した姿」として地続きのキャラクターととらえており、同じ声優が演じることで二人のつながりを深く表現する意図がありました。実際に作中でキキとウルスラの会話シーンは、高山みなみが対話する形で演じた貴重な場面です。なお宮崎監督は「ウルスラも魔女ではないかと思う」と発言しており、この説が二人の神秘的なつながりをさらに印象深くしています。
老婦人
声:加藤治子
孫娘の誕生日プレゼントをキキに依頼
青い屋根の家に住む老婦人で、キキに孫娘あてにニシンとカボチャのパイを届けてほしいと依頼します。オーブンの調子が悪い中でもキキを手伝って薪のオーブンでパイを完成させ、大雨の中を届けに行ったキキに温かく感謝を示す優しい人物。
後に魔法が弱まって落ち込むキキを励ますため、「キキという人に届けてほしい」という遠まわしな言い方でチョコレートケーキをプレゼントするシーンは、本作最も心温まる場面のひとつです。作中の女性キャラクターがキキの成長した将来の姿として描かれているという設定でいえば、老婦人は70歳のキキの姿とされています。
バーサ(家政婦)
声:関弘子(故人)
老婦人の家で働く家政婦
老婦人に仕える家政婦の老婆で、ひいお婆さんから魔女についての話を聞かされていた魔女が多かった時代を知る人物。キキから預かった箒にこっそり乗ろうとするなどお茶目な一面を持つ冒険好きですが、電気は嫌いという個性的な設定もあります。故・関弘子は後に宮崎駿監督の「紅の豚」にもバアちゃん役で出演しており、ジブリ作品に縁の深い女優でした。
老婦人の孫娘
声:鍵本景子
大雨の中を苦労して宅配に来たキキの前で、祖母のパイにケチをつけるような発言をして扉を無造作に閉めるという態度でキキを深く落ち込ませる人物です。一方で終盤の飛行船墜落現場にも居合わせ、キキがトンボを助ける瞬間を目撃するという重要な役割も担っています。現代っ子らしいやや冷たい態度が、都会の現実をキキに突きつける存在として機能しています。
マキ(デザイナー)
声:井上喜久子
デザイナー、キキの初仕事の依頼者
おソノ夫婦の店に通うファッションデザイナーで、キキが「お届け屋さん」を始めたばかりの最初のお客さんです。甥への誕生日プレゼントとして、ジジそっくりの黒猫ぬいぐるみが入った鳥カゴを届けてほしいと依頼します。上品なマダム然とした雰囲気で、キキもやや緊張した様子を見せます。キキが密かに憧れる「素敵な大人の女性」として描かれています。
井上喜久子は1988年デビュー直後というこれも新人時代の出演でした。「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」のラスト役、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」のカルタ・イシュー役などで知られるベテラン声優です。
コキリ(キキの母)
声:信沢三恵子
キキの母
魔女のお母さん。娘のキキに愛情深く接しながら「薬を作る魔法」を得意とする立派な魔女です。37歳という年齢は、キキの成長した将来の姿を象徴しているとも言われています。キキに旅立ちの際に大切な箒を譲り渡す場面が印象的です。
オキノ(キキの父)
声:三浦浩一
キキの父、民俗学者
人間のお父さんで、職業は民俗学者。魔女の妻コキリとキキを愛情深く見守る温かい父親像として描かれています。
パン屋の亭主(フクオ)
声:山寺宏一(警官役・TVアナウンサー役も兼任)
キキが下宿するパン屋の亭主
おソノの夫でグーチョキパン店のパン職人。無口ながらもキキを温かく見守る大人の一人として描かれています。本作では山寺宏一が亭主・警官・TVアナウンサーという3役を兼任する「七色の声」の活躍を見せています。声優デビューが1985年とあり、本作当時はまだ比較的新人の部類でした。後に「新世紀エヴァンゲリオン」加持リョウジ役、「ドラゴンボール超」ビルス役など数多くの代表作を持つ大ベテランに成長しています。
飛行船の船長
声:大塚明夫
終盤のクライマックスで大きな役割を果たす飛行船「自由の冒険号」の船長。時計塔に衝突するという大事故を起こしてしまい、ロープにつかまっていたトンボが高空にさらわれることになります。大塚明夫は後に「僕のヒーローアカデミア」オール・フォー・ワン役、「ヴィンランド・サガ」トルケル役など海外でも人気の作品に多数出演するベテラン声優です。
先輩魔女
声:小林優子
旅の途中でキキが出会う先輩魔女で、すでに修行を終えて街に根付いている先を行く魔女像として登場します。
主要声優キャスト一覧表

| キャラクター | 声優 | 代表的な他作品での役 |
|---|---|---|
| キキ・ウルスラ(一人二役) | 高山みなみ | 名探偵コナン・江戸川コナン役 |
| ジジ(黒猫) | 佐久間レイ | アンパンマン・バタ子さん役 |
| おソノ(パン屋のおかみ) | 戸田恵子 | アンパンマン・アンパンマン役 |
| トンボ | 山口勝平 | 名探偵コナン・工藤新一/怪盗キッド役 |
| 老婦人 | 加藤治子 | 数多くの映画・ドラマ出演 |
| バーサ | 関弘子(故人) | 紅の豚・バアちゃん役 |
| 老婦人の孫娘 | 鍵本景子 | — |
| マキ(デザイナー) | 井上喜久子 | 鋼の錬金術師FA・ラスト役 |
| コキリ(キキの母) | 信沢三恵子 | — |
| オキノ(キキの父) | 三浦浩一 | 多数のドラマ・映画出演 |
| パン屋の亭主(フクオ)/警官/アナウンサー | 山寺宏一 | エヴァンゲリオン・加持リョウジ役 |
| 飛行船の船長 | 大塚明夫 | ヒロアカ・オール・フォー・ワン役 |
| 先輩魔女 | 小林優子 | — |
全声優・キャスト情報はシネマトゥデイの魔女の宅急便声優キャストまとめページおよび映画.comの作品情報ページでも確認できます。
キャラクター相関と見どころ

キキとジジの冒険
「空を飛ぶことしかできない」というコンプレックスを抱えるキキと、常に言葉でサポートするジジのコンビが本作の核です。ジジは単なる相棒ではなく、キキの感情の代弁者としても機能しています。魔法が弱まったとき、ジジが人間の言葉を話さなくなるというシーンは、キキが自分の内なる声と切り離されてしまった状態を象徴しており、後の自己回復の過程と深く結びついています。
パン屋や街の人々との交流
コリコでキキが出会う人々はそれぞれが豊かな人生を生きており、それぞれとの出会いがキキを少しずつ成長させます。特に注目すべきは、作中の女性たちがキキの未来の姿として設計されているという演出です。18歳のウルスラ→26歳のおソノ→37歳のコキリ(キキの母)→70歳の老婦人という年齢の流れが、コリコという街に同時に存在しています。
キキの成長と独立、友情や仕事の描写
本作が多くの人の心に刻まれるのは、「魔法が弱まる」という経験を通じて描かれる成長の普遍性にあります。突然の「スランプ」「自信の喪失」「仕事への情熱の消滅」——これは魔女の話でありながら、現代を生きる誰もが経験するリアルな感覚です。
ウルスラの言葉——創作活動でも同じことがある、考えるのをやめてひたすら描くか、絵を描くのをやめてしまうか——はキキへのアドバイスであると同時に、視聴者一人ひとりへのメッセージでもあります。
視聴前チェックポイント
主要キャラクターと声優を把握
最低限押さえたいのはキキ(高山みなみ)・ジジ(佐久間レイ)・おソノ(戸田恵子)・トンボ(山口勝平)・ウルスラ(高山みなみ=キキと同じ)の5人です。特に「キキとウルスラが同じ声優による一人二役」という点を知っておくと、二人が初めて話すシーンの不思議な親近感の理由が腑に落ちます。
コリコの街と人間関係を理解
コリコはヨーロッパの海辺の港町をモデルにした架空の大都市です。グーチョキパン店(おソノ夫妻の店)がキキの拠点となり、そこを中心に街の各所へ配達に出かける中で様々な人間と出会う構造を頭に入れておくと、街の広がりとキキの成長が同時に感じられます。
物語の音楽・挿入歌にも注目
視聴のヒント:冒頭でキキが聴くラジオから「ルージュの伝言」が流れる場面、そしてエンドロールの「やさしさに包まれたなら」は、ユーミンの楽曲が映像と絶妙にマッチした名シーンです。久石譲によるスコアも含め、音楽が場面の感情をどのように支えているかに意識を向けるとさらに深く楽しめます。
関連情報
金曜ロードショー放送情報
『魔女の宅急便』は日本テレビ「金曜ロードショー」でこれまで数多く放送されており、放送のたびに大きな視聴率を記録してきました。2024年3月22日には21時30分から枠拡大でノーカット放送されています。最新の放送予定についてはORICONの魔女の宅急便特集ページでご確認ください。またciatrの声優キャスト解説記事もあわせてご参照ください。
宮崎駿監督・原作・音楽情報
原作は角野栄子の同名児童文学シリーズ(福音館書店刊)で、第1巻の1985年刊行以来6巻まで続いています。映画は原作の第1巻を中心に宮崎監督が独自の解釈と脚色を加えた作品です。
2026年6月19日(金)からは、スタジオジブリが監修した最高画質の4KデジタルリマスターでIMAX上映が予定されており、劇場でも本作を体験できます。
©1989 Eiko Kadono/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, N ※本記事の声優・キャスト情報は各種公式発表・報道情報をもとに作成しています。
よくある質問(FAQ)
Q. キキとウルスラはなぜ同じ声優が演じているのですか?
宮崎駿監督がウルスラを「キキの成長した姿」として地続きのキャラクターととらえていたためです。高山みなみがウルスラ役のオーディションを経た後、キキ役にも合格。宮崎監督の強い希望でウルスラも兼任することになりました。
Q. ジジが話さなくなったのはなぜですか?
宮崎駿監督は「キキが成長したことで、もうジジとのテレパシーは必要なくなった。それはキキが自立した証」と解釈しています。幼い頃の「心の声」としてのジジの役割が終わり、キキが自分の力で立ち向かえるようになったことを示しています。
Q. 「魔女の宅急便」は2026年にIMAXで見られますか?
はい。2026年6月19日(金)から、スタジオジブリが監修した4KデジタルリマスターによるIMAX版が全国のIMAX劇場で期間限定上映予定です。

